前回からの続きです。
につづいての第3弾です。
前回はRE/MAX L-styleのOpeningセレモニー、ここまででしたので今日はこの続きから。
目次
オープニングセレモニーが明けて
無事オープニングセレモニーも終わり、これで晴れてRE/MAXの仲間入りを果たしました。
ですが、昨日はあんなに賑やかだったOffice、次の日もその次の日もその賑わいはありません。
だってそりゃそうです。
在籍エージェント2名でスタートはしましたが、2人とも兼業のエージェントでした。
なので、毎日オフィスに来るわけではありません。
それどころかほとんど来ません。
『出社ノルマはありません』
『自由出勤』
『空いた時間だけ活動してOK』
当時はこんな働き方が不動産屋さんでできるところないでしょ?
そう思っていたから、そこを前面に押し出していました。
なので誰も来ません。
自分の身の回りに不動産相談が発生した時にだけ連絡があったり、オフィスに聞きにきたり、それだけです。
当然何もサポートできていないわけですから、彼らに案件もほとんど発生しません。
そんな日々がただただ過ぎていきます。
ですが、私個人の仕事はないわけではありません。
セミナーの準備をしたり、売買の契約、賃貸の契約の準備をしたり契約書を作ったり。
前の事務所とすることは大して変わっていません。
ただオフィスが広くなり、寂しさが広がっただけです。
これじゃダメだよな。
そこでRE/MAXに加入するのと同時に考えていたことを発動させます。
L-style Clubという名の、一般個人さん向けの集まりを作りました。
会員式サロンです。
オンラインではなく、オフラインのサロンです。
一般個人の方でも、不動産に関する知識や実務的なことを学べる空間を作ろうと、立ち上げました。
月会費1万円のGold会員と月会費5,000円のSilver会員、2つの会員枠を用意しました。
ここでできることは、定期的に開催される勉強会の参加と、フリースペースの自由利用、懇親会も開くのでそこへの参加、他の会員さんとの交流の場を提供しようというものです。
今考えたら、これって少し緩いエージェント募集です。
もちろんRE/MAXのエージェントして募集しているわけではありませんので、RE/MAXの名刺は使うことができませんし、不動産実務を会員さんが行うこともできません。
あくまでも不動産に関する勉強の機会を一般の人に作ろうという企画です。
エージェントさんよりも、より加入のハードルを下げた形で募集しました。
会員さん自身がうちで購入、または不動産を売却する場合は、仲介手数料30%オフにするという特典も付けました。
するとプチ大家の方、これから大家さんを目指そうとしている方など、10人弱の会員さんが集まりました。
その会員さん向けに月2~3回勉強会を催していました。
勉強会を開くと、エージェントさんたちも自発的に参加してくれるだろし、行く行くはこの会員さんからエージェントさんになりたい、そういう人たちが出てくるのではないか?
そういう期待も含めたものでした。
このエージェント育成という目論見は現段階でまだ当たってはいませんが、この会員さんたちがRE/MAX L-styleのお客様として戻ってくることになるのですが、その話はまだ先の話です。
運命的な出会い
L-style Club発足と同時に、後のRE/MAX L-styleを飛躍的に発展させる出会いがありました。
そのきっかけは1本の電話です。
『先日はOpeningセレモニーありがとうございました。ちょっと相談あるのですけど、またオフィスに伺ってもいいですか?』
やらなきゃいけない仕事の量だけ書類が机の上に山積みになっていましたが、ほぼオフィスで一人で仕事をしていましたので、来客の予定を断ることなどありません。
『もちろん、いいですよ』
数日後彼女がやってきます。
その彼女というのが、オープニングセレモニーにも遊びに来てくれていた小谷真千子さん、今のうちのチーフエージェントです。
『今取り組んでいる案件があって』
『少し相談したくて』
彼女が今取り組んでいる不動産案件の相談でした。
その当時、RE/MAXのエージェントさんたち、オフィスオーナーさんたちの中に不動産経験が長い人たちはまだまだ数少ない時代でした。
なので私に聞きに来ました。
わざわざオフィスまで来てくれて質問してくれているので、私も真摯に向き合い答えます。
彼女は不動産営業未経験から始めていましたので、その当時は分からないことも少なくなかったのです。
今ではすっかりそんな面影もありませんが。笑
クライアントさんから尋ねられたことや、業者さんとのやり取り、完璧主義者の彼女にとって、クライアントさんにタイムリーに返答できなかったこと、即時に業者さんに適宜な回答ができなかったこと、これが少しストレスになっていたのかもしれません。
ただの相談、不動産業界の先輩として、RE/MAXの後輩として受け答えしているだけでした。
しばらくそんな話をしていると、少し雲行きが変わった話に展開していきます。
『実は、私オフィスの転籍も少し考えていまして。。』
『へー。そうなの?』
『そっか、そういえばRE/MAXってエージェントさんの契約期間が満了したら、自由に移籍できるって言ってたもんね?』
最初は全くの他人事でした。
実際に転籍、移籍、こんなことあるんだ。
さすがアメリカン!
そう思いながら聞いていました。
オフィスとエージェントさん個人とは、1年間のエージェント契約を締結します。
1年間満期の契約なので、1年後再契約する際には在籍するオフィスと再度契約書を締結します。
ですので、ちょうど1年毎にエージェントはFA(フリーエージェント)の立場になります。
プロ野球でよく見るFA、自分の存在価値を試す機会でもあります。
そのオフィスで残した実績を元に、より良い契約内容で再契約するのもよし、その実績を持って他のオフィスと条件交渉するのもよし、まさにアメリカ的な制度です。
ちょうど彼女はその時、FAになるタイミングだったのです。
RE/MAXの中でも彼女はすでに有名人でしたし、できたばかりのうちのオフィスに転籍してくれるなんて一かけらも想像していませんでしたので、戸惑いは隠せませんでした。
ただ、彼女はより良い条件で移籍しようと思っていたわけではなく、その時在籍しているオフィスオーナーさんが、ほぼ不動産未経験だったため、あまり相談に乗ってもらえず、もっと相談できる環境を求めていたのでした。
そこに、タイムリーに私がRE/MAXに加盟し、不動産経験が長く、収益用不動産に関してもそれなりの知識があると聞いていた彼女は、こうして話を聞きに来たのです。
今のRE/MAXには、不動産経験も長く、不動産知識にあふれているオーナーさんたちがたくさんいます。
私よりも彼女との付き合いの長い人たちもRE/MAXに次々と加盟してきました。
ラッキーですよね?
もし時期が違っていたら、彼女がL-styleのメンバーとして今もこうして活躍していることはなかったかもしれません。
道中、彼女の話を聞いていて感じたことがありました。
クライアントさんを大切にする気持ち、ここに迷いはない。
そして、この不動産エージェントという仕事を腰掛ではなく、真剣にやろうとしている。
でも、提案するバリエーションがあまりにも数少ない。
それはただただ経験が少なかっただけなのですが、その話を客観的に聞いていて、もっともっと彼女はクライアントさんのためにも、自分自身のためにも活きる環境があるはずだ。
そう思ったのです。
でも、ざーっと見渡してもその当時のRE/MAXには、彼女を活かす環境が見当たらなかったのです。
『実は大西さんのオフィスも移籍の候補に考えてまして、なので今日は相談がてらその話を伺いに来ました。』
『えっ。そうなの?』
突然、私にも素面の矢が立ったのです。
ラッキー!
こちらからすると、この時はオフィスに来ないエージェントさんを2人だけ抱えている身です。
やっとオーナーらしい仕事ができるんじゃないか?
急にワクワクした気持ちになってきました。
いくら立派なオーナーさんでも、いくら立派なオフィスでも、エージェントさんがいなければRE/MAXのオフィスは成り立ちませんし、そもそも自立できるようなエージェントを育てるためには何年もかかる覚悟をしていましたから、これは嬉しい誤算でした。
その数日後、彼女から連絡があり、
『大西さんのところにお世話になることを決めました。』
ここからRE/MAX L-styleの歴史は始まったのです。
彼女の活躍編はまた次回へ。
次の投稿も楽しみにしておいてください(笑)