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  3. 昔と今の賃貸事情の違い
2019年4月2日

私が若い時、賃貸仲介の仕事をしていた頃と今の賃貸事情は大きく異なっています。

まず、今と昔とでは賃貸のお部屋探しをしているお客様の数が圧倒的に違います。
人口がその当時の半分になっているわけではないのに、部屋探しをするお客様の数は半分以下になっています。
なぜそのような変化があったのでしょう?
私が賃貸仲介の会社に入社したのは23歳の時でしたから今から26年前の話です。
その当時の集客と言えば、インターネットも普及していない時代なので、紙媒体による集客がほとんどでした。
賃貸雑誌全盛の時期で主な集客はその雑誌、ポスティング、そして電ビラでした。
電ビラ??
聞き覚えのない言葉ですよね?
今はほとんど絶滅していますが、電柱とかにチラシをノリで貼り付けたり、両面テープで貼り付けたり。
内容も誇大広告ばかりです。
電柱に無許可で貼り付ける行為自体が違法な行為なので、そこに書いてあることもまともな内容であるわけもありません。
それでも、たくさんの新規来店を呼び込んでいました。
一つの店舗で新規来店が100組、200組というような時代で、土日にはお客様の行列ができていました。
今同じようなことをしても、そのチラシの信憑性のなさに気づくお客様も多いでしょうし、そんなものに釣られて来店する方も少ないでしょう。
でもその当時はその広告に飛びつくほど引越する動機があったのです。
どういうことかというと、その当時の賃貸借契約書には家賃上昇に関しての取り決めが記載されていました。
契約期間更新の際、1年後には賃料の3%値上げしますとか、2年後の契約更新の際には5%の賃料上昇がありますとかです。
また大阪でも、契約更新時の更新手数料を取っていたマンションも数多くではありませんがありました。
つまり、契約更新の際に引越しを考える動機が発生していたのです。
今はこんな契約内容見かけることありませんよね?
また、大阪では敷金、礼金ではなく、保証金という独自の仕組みでワンルームマンションでも保証金30万円、敷引き25万円という契約が一般的でした。
敷引きというのは、今で言う礼金の部分であり、契約した時点で無条件で家主が取得できるお金です。
ワンルームで25万円の礼金って高いでしょ?
これなら原状回復のリフォームをして、不動産業者に手数料を支払っても十分残るでしょ?
つまり不動産屋も儲かったし、家主も儲かった時代です。
Win-Winって思った方も中にはいるかもしれませんが、お気付きの方も多いとは思います。
入居者、借主に全てしわ寄せがいっていました。
家主、不動産会社にはいい時代ですが、入居者にとっては不遇の時代です。
貸主が圧倒的に強い立場だったのです。
賃貸が高くて家賃も上がるなら購入したらいいんじゃないの?
そうなんですが、その頃は不動産バブルが弾けた直後です。
不動産価格は値下がりの一方で、金利もまだまだ高い時代でした。
購入という選択肢が消えれば、自然と選択肢は賃貸Onlyになります。
引越しを考えた時に、次もまた賃貸という時代なのでお客様が次々と現れてきたわけです。
その当時の大阪の賃貸相場といえば、15平米のワンルームで5.5万〜6.0万くらい。
ファミリータイプのお部屋は新婚さんでも3DK、3LDKが人気でした。
住み替えに必要な初期費用が高額な時代でしたから、子どもが産まれて大きくなり部屋が必要になった時のためにと最初から広めのお部屋を借りていく方も多くいました。
家賃でいうと10万円〜が一般的でした。
その当時は大阪市内の賃貸物件には新婚補助という家賃補助の制度があり、月額2.5万円を上限として補助金が交付されていました。
この制度を活用して1ランク、2ランク上の部屋に住むことができたわけです。
賃貸業界は家主も業者さんも潤っていた時代です。
今はどうでしょう?
15平米ほどのワンルームの価格相場は3.5万円〜4.0万円、その当時10万円ほどしていたファミリータイプのお部屋の賃料は7万円を切る家賃帯まで下がってきています。
また、賃貸住宅を借りる際の入居者側の仲介手数料もその当時は家賃の一ヶ月分が相場でしたが、今は入居者から仲介手数料を取らない業者さんも増えました。
家主さんからもらう手数料、広告宣伝費などといろいろな名目は付いてはいますが、これもその当時単身用で家賃の一ヶ月分、物件によっては2ヶ月分、ファミリータイプのマンションは家賃の1/2月分、1ヶ月分というお部屋も多かった時代です。
それも今は家主さんは単身用なら3ヶ月分、4ヶ月分という物件もありますし、ファミリータイプでも2ヶ月分、それ以上という物件もあったりします。
不動産業者さんはこの分で収益確保はできていますが、家主さんの負担は増大しています。
今度は逆に家主さんにとって受難の時代です。
借り手市場、貸し手市場でいうと、まさにその当時は貸し手市場、今は借り手市場です。
その借り手市場の今、この賃貸業界に飛び込むには知識と戦略が必要です。
左団扇であったオーナー業は今や競争相手に勝ち抜かないといけない時代になっています。
でも悪いことばかりではありません。
昔の閉鎖的なこの業界が、今はいろいろな情報を自宅にいながらでも手に入れることができます。
賃貸相場はもちろん、成功しているオーナーの体験談や成功例などもネットで見ることができます。
他人の成功例を簡単に共有できる時代です。
成功するかしないかは家主さん次第、オーナーさん次第になってきているわけです。
なのに未だ、不動産業者さんに任せっきりで安定収入を望みながら、賃貸物件を取得する方が後を絶ちません。
これって、いいカモですよ。
ただでさえ薄くなった利益を、がっつりと自分の収益を確保しようとする不動産業者さんに丸ぶりして利益が残るわけがありません。
銀行さんも同じです。
がっつりと高金利で貸し出して、自社のリスクに対しての保全を図って貸し出している物件で利益が出るわけがありません。
どうしたら儲かるの??
お答えしましょう。
不動産を購入する場合、借入する金利は2%台が上限です。
そしてフルローンで借りなきゃいけないのなら、不動産投資はやめるべきです。
次に内装工事等の見積りは見れるようになること。
単価や施工面積、部材の単価くらいは自分で調べることはできます。
最後に不動産管理を任せることは本業の兼ね合いで仕方ないのですが、内装工事、募集条件等には関与しておくこと。
言いなりにならないということですね。
密に話し合いができる担当者がいる不動産管理会社に任せるということです。
話し合いですよ。
くれぐれも間違わないでくださいね。
一方的に相手の話を聞くだけでなく、自分の意見も交わせるようになっておくということが必要です。
賃貸オーナーにとっては楽な時代ではありません。
でも、どんな商売でも今の時代、楽な商売などありません。
賃貸業は新規参入するには容易い業界です。
でも、入りやすいということはライバルが多いということを知っておきましょう。
そしてライバルに勝つためには戦略が必要です。
知識も身につける必要があります。
その覚悟だけ持って参入してください。
悩んだ時にはRE/MAX L-styleがご相談に応じます。
当社でご購入いただいたお客様はもちろん、他社でご購入した物件のご相談にも応じています。
この記事を書いた人
大西 征昭

オーナー

大西 征昭Masaaki Ohnishi

不動産のことなら何でもお任せ。
ただの不動産屋ではないです、不動産の専門家です

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