残価設定型住宅ローン
自動車を買うときに【残価設定型のローン】を利用することは一般的になってきました。
〇年後の価値を換算し、その価格を差引きローンを設定するというものです。
車両、諸費用の総額が500万円。
3年後の下取り価格が200万円。
この差額である300万円を3年間で支払っていく。
3年後には再びローンを組みなおすか、一括で支払うか。
そういった選択ができるというものです。
この場合、5年なら下取り価格がもう少し安くなり、ローン対象の額は多くなるが返済期間が増えるため毎月の支払額は多少安くなる。
こんなイメージですね。
これを不動産にも当てはめようという動きが出てきています。
すでに新生銀行などではこういう商品が発売されているそうですよ。
ただし現段階では旭化成ホームズの販売する物件だけに限定されているみたいですが。。
詳細はこちらです。
この商品説明を見てみると
6,500万円の住宅ローン(販売価格7,000万円、頭金500万円、借入期間35年、金利年1.5%、35年後の残価設定額1,400万円)で毎月の支払額は約17.4万円。
35年後は以下の中から選択。
① 売却による完済(住み替えをご希望の場合)
旭化成不動産レジデンス株式会社が、査定のうえ物件売却のお手伝いをします。万一、買い手がつかなかった場合でも、同社が最終回一括返済元本金額同額での買い取りを保証しているため、物件売却後に住宅ローンが残ることはありません。
② 自己資金による完済(継続居住をご希望の場合)
最終回一括返済元本を一括でお支払いただきます。
③ 80 歳まで期間延長(継続居住をご希望の場合)
最終回一括返済元本を 80 歳までの約定返済ローンに切り替えられます。
④ リバースモーゲージへ借り換え(継続居住をご希望の場合)
ご自宅を担保としたリバースモーゲージへ借換えし、最終回一括返済元本を返済します
いろいろな選択肢は設けられているようです。
はたしてこの支払額は安いのか?
また、この商品を使うメリットがあるのか?
ということを検証していきたいと思います。
まず最初に、一般的な住宅ローンを利用した場合です。
現在ある住宅ローンを利用する場合、変動金利なら今の金利は0.5%~0.8%あたりですかね。
同じ6,500万円を金利0.8%、借入期間35年間で支払っていくとします。
その場合の毎月の支払額は177,489円になります。
あれ?おかしいな?
って思った人は正解です。
残価設定型で組んだにも関わらず、支払額はほとんど変わっていません。
これが0.5%の金利で借りれる人なら、毎月の支払額は168,730円まで安くなります。
こうなると、普通の住宅ローンで組んだ方が得じゃない?
何の得もなければ誰も利用しないですから、もっともっと使いやすいローンにしないとダメですね。
先ほどの自動車の残価設定型のローンの場合、自動車メーカーにもよりますが金利が1.0%や1.2%の商品があったりします。
マイカーローンの場合はもともと住宅ローンに比べると金利はそこまで安くなく、残価設定型ローンの金利の方が安いケースさえあります。
せめて、金利は同程度、期間は同じ、ローン対象額は残価を差し引いた額、これが最低限の条件かもしれません。
また、残価の設定額をもっと高く見積りするのは無理なのでしょうか?
仮に先ほどの物件の場合、土地・建物の総額が7,000万円という設定でしたから、これを単純に土地価格3,500万円、建物価格3,500万円と便宜上振り分けます。
将来建物を解体し、更地として売却する場合なら、解体費の200~300万円を差し引いても3,200~3,300万円で売却できるはずです。
35年後の相場など分かるはずもないので、現在の路線価あたりを基準にしてみてはどうでしょう?
一般的に相場価格の6割程度が路線価と言われていますので、3,500万円の6割2,100万円、ここから解体費を差し引いた価格が残価とすると、1,800万~1,900万になりますので、もう後4-500万円は残存価値が上がることになります。
この程度の残価は見てほしいですよね。
これで通常の住宅ローンの金利程度で貸し出してくれれば、毎月の支払額は2割程度抑えられるのではないかな?
その辺りが普及するギリギリのラインではないでしょうか?
まだまだ制度改革が必要ってことです。
この計算シュミレーションソフトExcelで作ろうと思ったのですが、時間がかかりそうなので今日はここまで(笑)
いつかご披露しますので気を長ーくしてお待ちください。(笑)