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  3. 大阪でも急増中!「借地権マンション」は損か得か?
2026年2月10日

大阪にも「借地権マンション」の波が来ている?

沖縄の不動産市場では比較的馴染みの深い「借地権マンション」なのですが、実は近年大阪の都心部、特に「うめきた」や「中之島」といった再開発エリアを中心に、定期借地権のタワーマンションが次々と誕生しています。

一見すると、「自分のものにならない」という不安が先行しがちな借地権ですが、所有権マンションと比較した際のメリット・デメリットを深く掘り下げていくと、特定のライフスタイルや価値観を持つ方にとっては、非常に魅力的な選択肢となり得る側面も見えてきます。

私たちは家を買う、マンションを買う場合でも、土地(マンションの場合は持ち分割合ではありますが)も建物も完全に自分のものになる「所有権」が当然だと考えがちです。

しかし、この「借地権」という形態は、土地は借りる形であるものの、建物は自分のものとして所有できるという、まさに「今どき」な住まい方を提供します。果たして、この借地権マンションは、購入する価値があるのでしょうか?

そして、その「お得度」を測る基準はどこにあるのでしょうか。今回は、所有権マンションとの比較を通じて、その損得勘定を深掘りしていきましょう。

メリット:憧れの「立地」と「価格」優先の選択肢

借地権マンションの最大の魅力は、なんといってもその「価格の安さ」にあります。

一般的に、近隣の同等スペックの所有権マンションと比較して、物件価格が2割〜3割程度安価に設定されているケースが多く見られます。この価格差は、土地の所有権を取得しない分、その土地価格が反映されていないことに起因します。

これにより、本来なら予算的に手が届かなかったような、都心の超一等地や、ランドマークとなるようなタワーマンションへの居住が現実的な選択肢となる可能性があります。

例えば、大阪のビジネスの中心地や、交通の便が極めて良い駅直結の物件など、「ここに住みたい」という強い願望を、所有権よりも低いハードルで叶えることができるのです。

さらに、価格の安さは購入価格だけでなく、長期的な税負担の面でもメリットをもたらします。

借地権の場合、土地の固定資産税や都市計画税、さらには不動産取得税も発生しません。これらの税金は、建物部分にのみ課税されるため、毎年のランニングコストの一部を抑えることもできます。

「資産を子どもに残すこと」よりも、「今の生活の質を最大限に高めること」に価値を見出すライフスタイルの方にとっては、借地権マンションは「所有」という概念に縛られず、「利用」という観点から非常に合理的な選択となり得るかもしれません。

最近では「お一人様相続」という言葉が登場するくらい、身寄りのない高齢者も増えています。そういう方にとっては、まさに理想の住まいになるかもしれません。

この価格差で浮いた資金を、子どもや孫の教育費、自身の趣味、旅行、あるいは自己投資や金融資産運用に回すことで、より豊かな人生設計を描くことも可能になります。

デメリット:見過ごせない「毎月のコスト」と「出口戦略」

しかし、借地権マンションには、そのメリットと引き換えに、いくつかの見過ごせないデメリットも存在します。

まず、所有権マンションでは発生しない「地代」と「解体準備金」です。この費用が毎月必要になってきます。

地代は土地の賃料にあたるため、住宅ローンや管理費・修繕積立金に加えて、この費用が毎月の家計に上乗せされます。

また、「解体準備金」は、将来、借地期間が満了した際に建物を更地に戻して地主に返還するための費用を積み立てるもので、これも決して無視できないコストとなります。

「毎月の支払額だけで選ぶと痛い目を見る?」

「管理費・修繕積立金・地代・解体準備金」は定期借地権のマンションにはセットです。

この合計額が、所有権マンションの「管理費・修繕積立金・固定資産税(土地分)」の合計と比べて、トータルでいくら高いのか?そこを見極める必要があります。

中には毎月、解体準備金を徴収していないマンションも存在します。しかし、『解体準備金の積立がない=お得』とは限りません。

積立がない物件は、残存年数が迫ってきたときに急遽徴収が始まるケースもありますし、将来の売却時に買い手から『最後に解体費用がかかるんですよね?』と突っ込まれ、結局は値引きで対応せざるを得なくなる。そんな展開も、実は十分にあり得る話なのです。

最初から透明性を持って積み立てている物件の方が、かえって中古市場での評価は安定するものなのですよね。

そして最も大きな懸念点の一つが「期間の制限」です。

借地権には、一般的に50年〜70年といった「定期借地期間」が定められています。この期間が満了すると、原則として建物を解体し、土地を更地にして地主に返還しなければなりません。

所有権のように半永久的に住み続けたり、子孫に継承したりすることをしにくい(相続も譲渡も可能ですが、永久にというわけではありません)という点が、大きな違いとなります。

この期間の制限は、資産価値の下落にも直結します。借地期間の残りが短くなるにつれて、マンションの売却価格は下がりやすくなる傾向があります。

買い手も「あと〇年で住めなくなる」という期間を意識するため、流動性が低下し、売却が難しくなる可能性も考慮に入れる必要があります。

さらに、住宅ローンの面でも注意が必要です。

金融機関によっては、借地権マンションに対する融資期間や金額に制限を設ける場合があります。特に、借地期間の残存年数によっては、住宅ローンの審査が厳しくなることも考えられるため、事前の確認が不可欠です。

ズバリ、いくら安かったら「買い」なのか?

さて、メリット・デメリットを踏まえた上で、みなさまが最も知りたいのは、「結局、借地権マンションはいくら安かったら『買い』なのか?」という具体的な基準ではないでしょうか。

プロっぽく回答するのであれば、単純な物件価格の比較だけでなく、「毎月のランニングコストの差額」を、購入後の居住期間(例えば35年ローンを組むなら35年分)で加算して比較検討することが重要です。

目安としては、近隣の同等所有権マンションの「70%〜75%程度の価格」であれば、借地権マンションは十分に検討の価値があると言えるでしょう。

例えば、周辺の所有権マンションが6,000万円で売り出されているとします。もし、同等の借地権マンションが4,200万円〜4,500万円で手に入るのであれば、初期費用として1,500万円以上が浮く計算になります。

この浮いた資金を、毎月支払う地代や解体準備金に充てたり、金融資産として運用したりすることで、トータルで見た際の「お得感」を享受できる可能性が高まります。

しかし、注意すべきはランニングコストです。毎月の地代と解体準備金の合計額が、所有権マンションで土地部分にかかる固定資産税・都市計画税の年額を大幅に上回るような場合、物件価格の価格差が3割以上ないと、長期的に見てトータルコストで逆転してしまうという可能性も潜んでいます。

そのため、必ず詳細なシミュレーションを行うことが肝心です。

「6,000万円の所有権」と「4,200万円の借地権(70年定借)」、35年後に一体どちらが賢い選択なのか。

条件を揃えるため、以下の想定で計算してみます。

  • 住宅ローン: 35年、金利1.0%(元利均等)
  • 固定資産税: 所有権は土地+建物、借地権は建物のみ
  • 借地権特有コスト: 地代 15,000円/月、解体準備金 5,000円/月

【35年間のトータルコスト比較表】

項目所有権(6,000万円)借地権(4,200万円)差額
ローン返済総額約 7,114万円約 4,980万円借地権が 2,134万円安
固定資産税
(35年分)
約 525万円約 210万円借地権が 315万円安
地代・解体金
(35年分)
0円840万円所有権が 840万円安
トータル支出約 7,639万円約 6,030万円借地権が 1,609万円安

【35年後の「資産価値」は?】

支出が1,600万円安く済んだ借地権ですが、35年後の「手残り」はどうなるでしょうか。

所有権:古くても「土地」が残る

35年後、建物の価値が1,000万円まで下がったとしても、大阪都心の土地価格が維持されていれば、売却価格は3,000万円〜4,000万円程度期待できるかもしれません。

※不動産相場が今後上がらず今のままの相場で推移すると考えた場合のシミュレーションです。

  • トータル収支:支出 7,639万 - 売却 3,500万 = 実質負担 約 4,139万円

借地権:残り35年の「利用権」を売る

残り期間が35年(半分)になると、買い手は「残り期間」を気にし始めます。売却価格は1,500万円〜2,000万円程度と予想されます。

  • トータル収支:支出 6,030万 - 売却 1,800万 = 実質負担 約 4,230万円

計算上、35年後の実質負担は「実はほぼ変わらない」という意外な結果になりました。

「結局、どっちがいいの?」

「所有権」を選ぶべき人

万一の時に売却益をしっかり確保したい、将来子どもに確実な資産を残したいという「慎重」派。

「借地権」を選ぶべき人

毎月の返済を約6万円(2,100万円分のローン差額)抑え、その浮いたお金で「今」の教育や投資に回したい「投資・合理主義」派。

もし借地権で浮いた1,600万円を、他の投資などで年利3%で運用していれば、約3,000万円以上の資産に化けている可能性があります。

賢い選択をするための「合理主義」

結局のところ、借地権マンションは、

「子どもに不動産資産を残す必要がない」

「家賃を払う感覚で、最高の立地に安く住みたい」

「浮いた予算を教育や趣味、投資に積極的に回したい」

といった、明確なライフプランと合理的な価値観を持つ方にとっては、非常に魅力的な選択肢となり得ます。

所有権マンションが「負動産」化するリスク(例えば、老朽化による建て替えの困難さや、修繕積立金の高騰など)を考えると、期限が決まっている借地権は、むしろ潔い選択と言えるかもしれません。

期間満了で更地に戻すというゴールが明確だからこそ、その期間内で最大限にその物件の価値を享受しようという考え方ができます。

しかし購入を検討する際は、必ず専門家と相談し、自身のライフプランや財務状況、そして将来の出口戦略までを見据えた上で、最適な判断を下すことが重要です。

さっきのシミレーションもたまたま同じような結果になりましたが、購入時の価格、売却時の価格、そしてこれからの金利上昇などを考えれば、その結果は大きく変わってきます。

大切なのは、一般論に惑わされず、ご自身の生活とライフプランに照らし合わせて賢く選択すること。それこそが、家選びにおいて最も重要なファクターなのです。

ぜひ、私たちにご相談ください!

この記事を書いた人
大西 征昭

オーナー

大西 征昭Masaaki Ohnishi

不動産のことなら何でもお任せ。
ただの不動産屋ではないです、不動産の専門家です

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