今後の不動産投資の融資状況はどうなる?
今日のテーマは不動産投資向けの融資状況は今後どうなっていくか?
というテーマです。
つい昨年までは『サラリーマン大家さん』ブームが巻き起こっていました。
節税対策から始まり、アパートローン、法人スキーム、そして問題になったスルガスキーム。
大ブームで、いろいろな不動産会社が主催する不動産セミナーは大盛況でした。
その流れもあり、投資用不動産の価格はどんどん上昇し『バブル』とも呼ばれだしました。
出口のなかった築古のアパートやマンションが、超長期融資により日の目を浴び、10%を超す利回りの物件は飛ぶように売れていきます。
その流れに乗っかって、うちの会社でも多くの投資用不動産の売却のお手伝いをさせていただきました。
そんな流れに一石を投じたのが『かぼちゃの馬車』です。
シェアハウスのサブリース。
価値のない部屋に、サブリースという魔法をかけて満室想定金額を上げ、高値で売却していきます。
長期の家賃保証が付いた物件は空室リスクがない。
金融機関が価値のない不動産に高額な資金を融資するわけがない。
まさに魔法にかかったのように、物件がはけていきます。
建てては売り、建てては売りでしたが、建物が完成するとサブリースの賃料の支払いが開始します。
元々相場よりかなり高額なサブリース賃料を約束していましたから、その賃料を支払う原資はありません。
数が増えれば増えるほど赤字です。
その支払いを売却代金で補っていたのが、賄いきれなくなり破綻。
サブリースの賃料は滞り、シェアハウスオーナーは銀行への返済が滞る。
一気に問題は明るみに出ました。
問題はこれだけでは済みません。
融資にあたり売買代金が改ざんされていた。
自己資金のエビデンス(根拠・証拠)が改ざんされていたことが同時に露呈します。
もちろん、かぼちゃの馬車以外の物件の融資にも波及し、サラリーマン向け融資への目が一気に厳しくなりました。
普通に考えれば、一介のサラリーマンが億を超える物件の頭金、諸費用を自前で調達することは不可能に近い状況です。
だって、杓子定規に考えると物件価格の2割+諸費用(物件価格の5%~8%)です。
2千万円~3千万円近くの現金が必要なわけで、その資金をすっと出せるサラリーマンがそんなに多くいるわけもありません。
フルローンの終焉です。
フルローン、これは物件価格の満額の融資のことです。
今回問題になったケースでは、フルローンではなくオーバーローンが行われていました。
オーバーローンというのは、物件価格満額と諸費用の総額を全額融資で賄うというものです。
手出しなしで億単位の物件を購入する方にも問題があるような気はするのですが、そこは置いておいて。
今後の融資状況について語ってみましたので、こちらをご覧ください。
要約しますと、サラリーマン向け融資は引き締め傾向にあります。
というより、ほとんどストップしています。
すでに何棟か所有していて、きっちりとキャッシュフローが回っているオーナー様にはまだチャンスはあります。
ただ、帳簿価格と残債を見れば購入時にフルローンをしていたのか、オーバーローンで購入していたのか、見る人が見ればすぐに分かってしまいます。
その方々はアウトですよね。
次の物件からの融資はほぼ受けれないと思ったほうがいいかもしれません。
方や、資産家向け富裕層向け融資は相変わらず堅調です。
ここを引き締めてしまえば貸出先がなくなってしまいますから、出すしかない状況なので。
これからは、貸せる人(貸したい人)と貸せない人(貸したくない人)に大きく二分されます。
二極化の時代です。
銀行が貸したい人になるにはどうすればいいでしょう?
これからは、銀行が取りはぐれのない人だと思わせることがとても重要です。
融資物件の空室が増えても、他の収入で補える人。
これがサラリーマンの場合当てはまっていたのです(高年収の方)が、そこは関係なく判断されるようになっていきます。
※医師や士業の方除く。
また、万一の時に備えて他の資産がある人。
無担保の不動産であったり、現預金・証券であったり。
このあたりの資産背景は必須になってくると思われます。
『ほかに資産があれば、銀行から借りなくてもいいんじゃない?』
はい。その通りなんです。
銀行って昔からそんなものです。
借りなくていい人にはじゃんじゃん融資したい。
借りたいという人には、できる限り貸したくない。
おかしな話でしょ?
でも、そんなものです。
現金1億円見せて、1億円の不動産を購入するから貸してほしい。
極端な話、こんな話を望むわけです。(笑)
なので、できる限りキャッシュポジションを多く持つ。
現預金を持ったまま、融資を受ける。
それが必須になってくるわけです。
『いきなりそんなことできないよ。もう不動産投資は無理だ』
こんな声も聞こえてきそうですが、だれもがいきなりお金持ちになるわけじゃありません。
小さい不動産を売買して、売却益を得てコツコツと資産を増やしていく、そんな方法もありますので、決してあきらめないように。
損しない不動産取引の方法は追々勉強していきましょう。
そんな不動産投資について学べるL-styleClubが5月よりリニューアルし、オンラインサロンとして再稼働いたします。
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正式なリリースまでもう少々お待ちくださいね。
伝えたいことは、まだまだたくさんありますので、今回のようなブログ&動画で随時発信していきたいと思いますので、まめにチェックしてみてください。
それではまた次回をお楽しみに。