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2026年2月2日

今は買うべきじゃない人がいます──“その前に買わなきゃ”が一番危ない。人生の転機で家を買うリスク」

「今は買うべきじゃないと思いますよ」

住宅購入の相談をしていると、
この一言を伝えた瞬間に、少し残念そうな顔をされることがあります。

それも無理はありません。
住宅は多くの人にとって“人生最大の買い物”であり、
同時に「早く決断しないといけないもの」だと思われがちだからです。

しかも、せっかく買おうと思って相談に来たのに何なの?
そういう気持ちになるのは分かります。

ですが、これまで数多くの相談を受けてきて、
はっきり言えることがあります。

家を買って後悔する人の多くは、
「買うべきではないタイミング」で決断してしまっている人なのです。

人生の転機と住宅購入は、実は相性が悪い

まず大前提として、誤解してほしくないことがあります。

✔転職が悪い
✔出産が悪い
✔独立・開業が悪い

という話ではありません。

もちろんこんな時代ですから、
✔キャリアアップのために転職をする
✔こどもを作る
✔独立開業する
どんどんやるべきだと思います。

何が問題かというと
問題なのは、
人生が大きく動く“真っ只中”に、長期の住宅ローンを組むという固定支出を入れてしまうことです。

住宅購入は、
これから先20年、30年続く生活を前提に組み立てるものです。

一方で、これら人生の転機は
「これから何が起こるか、まだ定まっていない状態が始まる」ということです。

✔転職しても、労働環境が合わずすぐ辞めてしまうことはない?
✔こどもはできたけど、子育てしながら奥さんは職場復帰できる?
✔独立開業って大変だから、最初から収入は安定しませんよね?
こんな状態で、固定出費を固めてしまっていいのでしょうか?

この2つは、どうしても相性が良くないのですよね。

というより、本来転職予定がある場合は、その段階で住宅ローンを組むことができません。
開業してしまえば、売上が安定するまで、
決算書(個人の場合は確定申告書)が2期、3期終わるまで、住宅ローンは組めません。
出産予定がある場合も、その間の年収は額面通り見てくれないケースがほとんどです。

人生の転機が終わってから住宅購入をしましょうね。
銀行側は最初からそう定めているのです。

転職を考えている人が、焦って家を買ってしまう理由

「転職したら住宅ローンが通らなくなるかもしれない」

この不安から、
“今の会社にいるうちに買っておこう”
と決断される方は少なくないでしょう。

確かに、住宅ローンは
現在の勤務先・勤続年数・年収をもとに審査されます。

ですが、ここに大きな落とし穴があります。

金融機関が見ているのは、
あくまで「過去から現在までの実績」です。

一方で、住宅ローンを返していくのは
これから先の人生です。

転職後に

  • 収入が一時的に下がる
  • 働き方が変わる
  • 精神的・時間的な余裕がなくなる

こうした変化が起きたとき、
「ローンが通ったから安心」とは言えないのです。

転職後収入が下がってしまい、
奥さんに内緒の借金をして、住宅ローンを返済、
こうしたケースも少なくありません。

出産前の“ペアローン駆け込み購入”が抱える現実

もう一つ、よくあるのがこのケースです。

「出産後はペアローンが組めなくなるかもしれないから、
今のうちに買っておこう」

確かに、制度上はその通りです。
ですが、ここにも見落とされがちな現実があります。

  • 出産後、想定より長く仕事を休むことになった
  • 子育てと仕事の両立が難しくなった
  • 収入が一時的に下がった状態が続いた

ペアローンは
“二人が同じように働き続けること”が前提になっています。

人生が変わるタイミングでは、
その前提自体が揺らぎやすい。

結果として、

「家が欲しくて買ったはずなのに、
毎月の返済がプレッシャーになっている」

そんな相談も、実際に少なくありません。

せっかくのマイホーム購入
それが家族の仲を裂き、
夫婦喧嘩の元になる、本末転倒ではないですか?

独立・開業を控えている人ほど、慎重であるべき理由

独立や開業を考えている方の場合、
住宅購入はさらに慎重になる必要があります。

  • 個人事業主になると、住宅ローンの条件は一変する
  • 事業資金と住宅ローンの返済が重なる
  • 想定外の出費が続くことも珍しくない

この時期に家を買うと、
本来チャレンジに使うはずだった余力が、住宅ローンに縛られる
という状況が起こり得ます。

家が「安心」ではなく、
「身動きの取れない原因」になってしまうのです。

住宅購入がなくても、独立開業は人生において大きなチャレンジです。
予定通りに事が進まないってことは、大いにあるわけです。

しかも、開業当初は、事業を軌道に乗せるために
昼夜問わず働くこともしばしば。

今買える家を買うのではなく、事業で成功してから買っても遅くはないのでは?

それでも「今買わなきゃ」と思ってしまう心理

では、なぜ多くの人が
人生の転機に家を買いたくなるのでしょうか。

そこには、共通した心理があります。

  • 今を逃したら、もう一生買えない気がする
  • 価格が上がり続けている不安
  • 周りが次々に家を買っている焦り

これは、冷静な判断というより
“恐怖に対する反応”に近い状態です。
この時点で冷静ではないのです。

不安が強いときほど、
人は「何かを決断することで安心しよう」とします。

ですが、住宅購入は
安心を得るためにするものではありません。

生活を安定させるための手段であるべきなのです。

「今は買わない」は、何もしないという意味ではない

ここで、もう一つ大切なことを。

「今は買わない方がいい」と伝えると、
「じゃあ何もできないんですね」と言われることがあります。

そんなことはありません。

むしろこの時期にできることは、たくさんあります。

  • 資金計画を整理する
  • 将来の働き方・暮らし方をしっかりとイメージする
  • エリアや物件タイプを絞っておく
  • “いつなら買えるか”の条件を明確にする
  • そして、預貯金を蓄える

これは、買わない期間ではなく、準備の期間です。

超低金利の時代が長く続き、
物件価格のフルローン、そして諸経費分までフルローン
自己資金なしで購入できるのが当たり前、
そう思っていませんか?

本来ならば、住宅購入の際、
自己資金0円ではなく、1割、2割の自己資金を用意するのが普通なのです。

仮に物件価格すべてを住宅ローンで賄ったとしても、
万一に備えて、数ヶ月分の支払い額はプールしておく必要があるのです。

そのための準備期間に充てる、
そう思えば、少しは楽になりませんか?

本当に必要なのは、背中を押す人ではない

住宅購入の場面では、
どうしても「背中を押してくれる人」が求められがちです。

ですが、本当に必要なのは、

「今はやめておいた方がいいですね」
と、理由とともに言ってくれる存在だと思っています。

  • 今は買うべきタイミングなのか
  • それとも、人生の転機を優先すべき時期なのか

その判断は、
物件の条件だけでは決まりません。

あなたの人生の流れを見て、一緒に考える必要があります。

家を買うことがゴールではありません。
その家で、どんな人生を送るのか。

もし今、
転職・出産・独立などの節目にいるなら、
一度立ち止まって考えてみてください。

「今買うこと」が、本当にあなたの未来を楽にしてくれるのか。

それを一緒に考えるのが、
不動産のプロの役割だと、私は思っています。

私たちと一緒に、もう一度人生設計から立て直してみませんか?

この記事を書いた人
大西 征昭

オーナー

大西 征昭Masaaki Ohnishi

不動産のことなら何でもお任せ。
ただの不動産屋ではないです、不動産の専門家です

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