不動産業ではなぜリピーターが少ないの?
目次
アメリカ人は人生で12回引越しする
アメリカ人は人生で12回も引越しするらしいです。
ちなみに日本人の平均は8回だそうですが、この数字を聞いてどう思いますか?
『あー、これくらいは引越ししているかも』
と思う人もいれば、
『そんなに引越ししないんじゃない?』
こう思う人もいるかもしれません。
私は22歳まで実家暮らしだったので、その間は1回も引越ししたことがありませんでした。
その後、就職した会社の社宅に入り、その後転々とし、1回目のマイホーム購入までに3回引越し、マイホーム購入後もいろいろ訳があり売却し賃貸暮らし、また購入と計11回も引越ししています。
実家⇒社宅⇒賃貸⇒賃貸⇒賃貸⇒購入⇒賃貸⇒賃貸⇒賃貸⇒購入⇒賃貸⇒購入
なので、現段階で日本人の平均以上は引越ししていますし、多分また引っ越しします。(笑)
私がまだ若かかった時代、その当時は賃貸仲介の仕事をしていました。
その時は2年後の契約更新の際、賃料が上がるという契約もまだ一般的でしたので、その度に新しい引越し先を探しに来ていただけるお客さまも少なくありませんでしたし、マンションから一戸建てにステップアップして買い替えるという人も少なくはありませんでした。
まだ、不動産屋さんは怖い人たち
という印象も持たれることが多い時代だったので、そうでない会社にはリピーターさんたちが数多くいたものです。
リピーターさんを作るには
先日も20年ほど前に賃貸を借りていただいた人から電話がありました。
『お久しぶりです。覚えていますか?』
その当時借りていただいた時に、まだ小さくて抱きかかえていたお子さんが成人し結婚し、その部屋を探してあげてほしいという依頼でした。
こういうご縁があるのが不動産業です。
ただ、急に思い出したとしてもその当時の名刺など残っているわけもなく、連絡先が頭の中に残っているわけでもありません。
しかも、その当時働いていた会社はとっくに退職していますし、私の事を知っている営業マンも存在はしていません。
じゃあどこで連絡先を調べこうして電話してきたか不思議に思いますよね?
実はこの方の友人も20年以上前のお客様でした。
今から約2年前に近くの喫茶店でたまたま再会し、
『不動産のことで何か相談あったら、気軽に連絡して~。』
こういって名刺を一枚渡したのがきっかけでした。
息子さん夫婦の賃貸物件を紹介しました。
そして、最近にもまた今度は自分の部屋を借りていただきました。
その方が、今度は自分の友人であり、私のお客様でもあった人にこのことをお話ししてくれ今回のご縁になったわけです。
これはたまたま賃貸案件でしたが、売買案件でも同様のことは頻繁に起こります。
『そろそろ家が欲しいなと思っているんだけど、相談に乗ってもらっていいですか?』
『家を買いたいんだけど、車のローンとかあったらムリですかね?』
『3年後に家を買いたいんだけど、今から何をしていけばいい?』
こういうことって、改めて来社して相談するのも、電話して相談するのも少しハードルが高くないですか?
まだ煮詰まっていないし、軽ーく聞いてみたいだけの内容なので。
そこで便利なのがLINEというツールです。
SNSというツールです。
自分が気が向いた時に返信できますし、1通のメッセージを送るのにさほど抵抗はありません。
私の場合、LINEは電話番号からも検索でできるようにしているのと、その当時から携帯番号が変わっていないので、電話番号登録さえしてくれていれば相手側に【知り合いかも?】と勝手に表示されるわけです。
相手側が友だち追加してくれれば、自動的にこちら側でも友だち登録されていますし、メッセージをこちらから送ることも可能になります。
またInstagramやTwitter、Facebookなども積極的に投稿をUPするようにしています。
誰かがどこかで見てくれて、ふとした時に『いいね』を押してくれたり、メッセージを送ってくれることもあります。
印象に残るのは最大150人
今の時代はとても便利になりましたが、昔はSNSもLINEもありませんでした。
そんな時代どうやって思い出してもらったか、それは定期的にはがきや手紙を送ったり、たまに電話してみたり、そんな方法しかありませんでした。
勤めている会社が変わるたびに、大量の案内はがきを送ったり、電話してみたり。
そのきっかけで、紹介をいただくことも少なくはありませんでした。
でも今は1通のメッセージで済むわけですから、めちゃくちゃ楽になりましたよね。
ぜひ明日からでも実践してみてください。
効果てきめんですよ。
人が誰かの事を覚えておける人数って最大でも150人だそうです。
新しい誰かと出会い、その人のことが印象に残っていると、誰かの事を忘れてしまうわけです。
常にその誰かの150人に残っていくためには、覚えていてもらう努力をしなくていけません。
昔の同級生、仲の良かったメンバーは今でも覚えているでしょうが、クラス全員の名前と顔は思い出せませんよね?
人は忘れていく生き物なんです。
しかも、仕事でかかわっただけの人ならなおさらです。
忘れていい人の部類には簡単に入ってしまいます。
なので、その人の人生に大きく関わっていけるような仕事の在り方が大切なんです。
私がもう30年もかかわっているこの業界ですが、契約の終わったお客さまと連絡を取るのがイヤな営業マンは数多く存在します。
『また、いずれお客様になるかもしれないのに、なんで連絡を取るのがイヤなの?』
こう思う人も少なくないですよね?
私もそう思います。
でもそうならないのは、
『契約の終わったお客さまに連絡を取っても仕事にならないから。』
『お金にならないから。』
そう考えているからです。
2年後、3年後のお客様になるかもしれないけど、
『その時はこの仕事を続けているか分からない。』
そう考えている営業マンもいますし、
『余計な連絡をして、ここが壊れている、隣の人がうるさいなどというクレームを対応しなくてはいけなくなるかもしれない。』
手間だけ増えてお金にならないなら、新規のお客様にアプローチしているほうがいい、そう考えている人が多いからです。
飲食店で【一見さんお断り】という看板はよく見ますが、【リピーターさんお断り】そういってる業界はこの業界か詐欺の世界でしか見たことがありません。
そりゃ衰退しますよね?
リピーターさんを大事にしていると、継続的に仕事は入ってきますし、何年経っても食べるのには困りません。
覚えておける150人、何人の人のその中に入れるか、思い出してもらえるか、それが私たちの仕事です。
ただ、覚えてはもらっているけど悪印象、これでは何の意味もありません。(笑)
思い出してもらえる努力と、あの人に再び任せたい、そう思ってもらえるように仕事をやり切る、この2つの努力が必要なんです。
エージェント文化がこれからもっと浸透できる理由
コロナ禍により、人と人とのつながりが希薄化しました。
どうでもいい繋がりは、その繋がりを持つ必要すらなくなりました。
遠方まで出向かなくてもリモートで会議ができるようになりました。
セミナーでもちょっとした不動産相談でも同じです。
でも、大事なことは直接会って聞きたくないですか?
結婚のプロポーズくらいは直接会って聞きたくないですか?
それも今の時代ならリモートでするのかな?(笑)
それなら例えば、余命宣告をZoomでされたらイヤですよね?
会って直接聞きたいことは人によって違うかもしれませんが、会いたくない人には会わなくてもいい、それは簡単に選択できる時代になりました。
一生懸命自分のために知恵を絞って頑張ってくれている、いつでも自分の事を気にしてくれている、そう思っていれば会いたくなりますよね?
何でも簡略化できる時代ですが、効率だけでない仕事の仕方を選択するのは私たちRE/MAXエージェントです。
不動産屋さんに数多く足を運ばなくても、見たい物件をエージェントに声を掛ければ全部見せてくれる、足を運ばなくてもリモートで見せてくれる、自分の代わりに見に行って善し悪しの判断をしてくれる、そこには信用や信頼が必要ですが、そういう人がいれば安心しませんか?
自分が想像する、お客様にとってこんなエージェントがいればいいな、こんなエージェントがいれば理想的だな、そう思うエージェントに近づく作業、それがエージェント活動なのです。
楽してお金が儲かる、そう思っているならこの道は選ばないでください。
楽しては儲かりません。(笑)
大きな額の不動産を取り扱うから、きっと儲かるはず、そう思ってこの業界に入った人たちは少なくないかもしれません。
でも、そういう人たちはこれから必ず淘汰されていきます。
お金のためにこの仕事をしている人たちは、前述した通りリピーター産業には向いていません。
この仕事はリピーターさんを継続して呼び込むビジネス、巡回してリピーターさんが戻ってくるビジネスなんです。
それが、長い間この仕事を続けていて学んだことです。
お金は稼げても、お客様の信用・信頼を得るためには、お客様の事を第一に考える、クライアント・ファーストその思想が大切です。
そして、信用が次の仕事を生み出し、信頼が紹介へと結びつくのがこの仕事です。
物件を選ぶ時代から、人を選んで物件を探す時代、その時代が到来しました。
今、未経験から始めた人も含め、全国のRE/MAXのエージェントさんたちがお客様に選ばれている理由です。
いい時代になりましたね。
ってことで、来年も全国のRE/MAXエージェントさんたちが活躍する姿を楽しみにしています。
それではまた!