どんな仕事でも「一人前」になるには時間がかかる──エージェントという仕事が、本当に報われ始めるまで
不動産営業に限らず、どんな仕事でも「一人前」になるまでには、必ず時間がかかります。
これは精神論ではなく、動かしようのない「現実」です。
目次
成功の前に必ず存在する「種まき期間」
たとえば、他の業種を見てみましょう。
- 飲食店:開業して黒字化までは平均6ヶ月〜1年。
- 美容室:リピーターで予約が埋まるまでに1年〜2年。
- 個人事業主:事業が軌道に乗るまで平均8〜12ヶ月。
世の中の「開業データ」を紐解けば明らかです。
始めてすぐに結果が出る仕事の方が、圧倒的に少ない。そして、不動産エージェントもその例外ではありません。

エージェントの1年を「季節」で考える



エージェントの仕事には、避けては通れないステップがあります。
【最初の3ヶ月:冬、種まきの時期】
勉強し、とにかく人に会い、地域のことも知りコミニティを作る。
ブログやSNSで発信を続け、自分の専門性を知ってもらい、磨く。
この時期、預金残高は増えないでしょう。しかし、目に見えない「信用」という土壌を耕している最も重要な時期なのです。
最初はSNSの世界ですら、あなたのことを誰も知らないところから始まりますから、アクションを求めるのではなく、とにかく自分の存在を知ってもらう。そのことに重点を置いてください。
【6ヶ月目:春、芽が出だすとき】
ポツポツと相談が入り始めます。
まだ成約には至らなくても、「ちょっと相談したいんだけど」「不動産ならあなたに頼みたい」という声が少しづつ届き始める時期です。
でもまだ焦ってはいけません。この時期は、今の自分に何が足りないのか、お客様のリクエストに応えるためには何が必要なのかを見極める時期です。
この時期に継続して種まきを続けていけるかが重要です。種まきはこの時期にも継続していくものです。
【1年目:秋、ようやく訪れる収穫の時期】
9ヶ月から12ヶ月が経ち、やっと仕事がサイクルとして回り出します。
購入依頼や売却依頼、相続相談、不動産投資を始めたいという相談、自分が蒔いた種の分だけ返ってき始めるのがこの時期です。
重要なのは、この時期までに自分自身が学んでおくこと。不動産知識や地域の情報、取引の流れなどを詰め込む時間はたっぷりあったはずなので、ここで慌てふためくようだとダメです。
案内や、契約など今までなかった動きが出てきます。ここを効率よくこなしていこうではなく、一連の流れを忘れないように、時間をかけてゆっくりゆっくり丁寧に取り組んでいきましょう。
効率を求めることは後からゆっくりとやればいいのです。
ここでもまだ種まきはやめないこと。蒔いた種は半年~3年かかってようやく芽を出します。継続してやり続けた者が成果を出していく、これがエージェントの仕事です。
そしてこれが、多くの成功したエージェントたちが通ってきた「現実のタイムライン」なのです。

なぜ、多くの人が「実る直前」で辞めてしまうのか
理由はシンプルです。
「思ったより稼げない」「成果が出るのが遅い」。
しかし、それは失敗ではありません。単に、収穫の時期がまだ来ていないだけなのです。
一番もったいないのは、土がようやく温まり、芽が出ようとしている3ヶ月〜6ヶ月のタイミングで、自ら退場してしまうこと。
あと少し掘れば水が出るのに、その直前で諦めてしまうようなものです。しかしそういう人が、多いのもこの仕事です。
実際にうちのオフィスでも、志半ばで辞めてしまったエージェントさんたちはいます。
蒔いた種が実るタイミングは人それぞれ違います。辞めてしまっていては、その芽が出るところも、実ったことにも気付かずに終わってしまいます。
こんなにもったいないことはないのに‥
最初からうまくいく人なんていません。でも、挫けてしまう気持ちはよく分かります。
でも考えてみてください。もしあなたが未経験者で、いとも簡単に大金を稼げてしまうのがこの仕事だったとしたら、参入者は列をなして集まってきているでしょう。そして、すぐに飽和状態になる。その後の展開は容易に想像できませんか?
短命で終わること間違いないはずです。
でもエージェントというこの仕事はそうではありません。
長期に渡り、しかも長く続ければ続けるほど実りが大きい仕事なのです。幸福度、満足度は伝染します。
「よかった」「〇〇さんに頼んでよかった」この声は、お客さま自身のご友人、ご兄弟にも伝わっていくのです。
そして、一度契約が終わったお客様でも、数年後に住み替えやリフォームなど相談が来るのもこの仕事です。
契約で終わりではなく、1つの契約はまだSTARTなのです。
いつでも気軽に、何でも相談できる人。こう思ってもらえる人を一人、一人増やしていく。その先に安定したエージェント活動が待っていることでしょう。

「種まき期間」は、未来への授業料
エージェントになり、毎月の生活費が30万円かかるとします。年間で考えると360万円ですね。
最初の1年、思うように稼げなかったとしても、それは赤字ではありません。「360万円を投資して、一生モノのスキルを学んでいる期間」なのです。しかも、それは授業料ではなく、ただの生活費です。
不動産エージェントという仕事に定年はありません。
70代、80代になっても不動産という仕事に携わっている人がたくさんいる、そんな仕事です。
一生やり遂げれる仕事って、他に思いつきますか?
人生90年時代と考えると、そのうちの1年を費やしてもまだお釣りがくると思いませんか?
1年間海外留学したとしても、ビジネスで使えるほど英語がペラペラになるわけではありませんし、そこにかかる費用はこの比ではありません。飲食業を開業しようと、食の専門学校に通ったとしても1年間?2年間の授業料はこの比ではありません。
それに比べたら、学びながらもところどころ報酬を得るチャンスがあるこの仕事って、限りなくリスクの低い仕事だと思っています。
まだ成功できていない自分の現実を
「まだ稼げない」と嘆くか、「今は仕込みの投資期間」と捉えるか。 この視点の差が、1年後の人生、そして自分の未来を大きく分けるのではないでしょうか。

成功を邪魔するのは「過去の自分」
もうひとつ、残酷な真実があります。 伸びる人ほど、過去の成功体験をあっさりと捨てることができます。
「前職ではこのやり方で通用した」
「昔の営業スタイルならこうだった」
そのプライドが、今の時代に合った学びを邪魔してしまいます。

過去の武器を一度手放し、素直に「今のやり方」を学び直せる人だけが、猛スピードで成長していくことになります。
だって、不動産実務を長くやってきた人ですら、今までやってきた狩猟型の反響営業と農耕型のエージェント業の違いに戸惑いますし、異業種から飛び込んできた人ならなおさらのこと、同じやり方では通用しないものなのです。
お客様の声に耳を傾け、エージェント仲間のアドバイスを素直に聞き入れることができるか?
変なプライドが邪魔して、聞く耳を持たない人も少なからずいます。それでは成功への道は閉ざされてしまいます。成功者の意見に素直に耳を傾けたり、お客様がどんなことで困り、悩んでいるのか?それを吸収できる人が成長していくのです。
ただそれは、今までの経験、スキルを捨てろと言ってるのではありません。その経験、スキルは必ず活きてきます。そのスキルをどう活かしていけばいいのか、そこを発見できるまでの期間は、多くの人の意見を聞くことをお勧めします。
厳しいことを立て続けに伝えてきましたが、いままの人生で培ってきたコミニケーション能力は、いかんなく発揮できるのでご心配なく。
重要なのは「名刺の枚数」ではなく「信頼の積み重ね」
エージェントにとって最大の資産は、SNSのフォロワー数でも集めた名刺の枚数でもありません。
私も開業当初はたくさんの異業種交流会に参加しました。不動産業者が集まる会合に積極的に参加しました。で、思ったこと。
たくさん名刺交換しても、1つ1つの名刺を見返しても誰か思い出せない。100枚単位で名刺交換すると、すべての人の顔と名前が一致しないのです。こんなこと話したな、こんな仕事しているって言ってたなと思い出せるのも数人だけ。自分がそうなんだからもちろん相手も同じです。
SNSも然りです。有名人以外、始めた瞬間からフォロワー1000人単位でいる人なんていません。多くの場合は何の反応もないところから始めていく事になります。
1日にして友人100人作るなんてムリですよね。1日に1人でも2人でも、自分のことを覚えてもらう人を増やしていくこと、これが大切なんですよね。
そこから会話を積み重ね、相手のことを良く知り、自分のこともよく知ってもらう。そうして信用、信頼って生まれてくるものです。
最終的には「どれだけ深く信頼されているか」。これに尽きます。
「困った時や、この情報誰に言おうかなと思った時に、真っ先にあなたの顔が浮かぶか」 その信頼は、一朝一夕では作れません。
RE/MAX L-Styleで現在活躍中のエージェントさんたちも例外ではありませんでした。今では年間数千万円売上げるエージェントさんでも、1年目は思ったようにいかず苦労しました。兼業で始め、今ではエージェントとして成功を収めているエージェントさん、彼は最初の契約まで3年間かかりました。成功への道のりは違いますが、歩みを止めなかったこと、これが共通項なのです。
時間と、誠実さの積み重ね。それだけが、数年後のあなたを支える強固な基盤になります。

まずは「1年」、自分を信じて頑張ってみる
私は、エージェントとして本気でやるなら、最低でも「1年」は見てほしいと思っています。
最初の12ヶ月は、稼ぐより、育てる。 売るより、信頼を積む。
もし1年本気でやって、誰からも相談されず、紹介も一件も出ないのであれば、その時はじめてやり方を見直せばいいのです。でも、ほとんどの人は、その検証ができる場所に辿り着く前に、自分からレースを降りてしまいます。
成果には、必ず「時間差」があります。
種をまき、水をやり、芽が出て、ようやく実になる。 今、もし結果が出ていなくて苦しいとしても、それはあなたが「失敗している」からではありません。
あなたは今、成功の「途中」にいるだけなのです。
「1年」という時間は、誰にとっても同じではありません
ここで、もうひとつ大切な話をさせてください。
よく、「1年頑張れば形になる」と言いますが、この1年は誰にとっても同じ1年ではありません。
たとえば、毎日1時間だけ活動する人は週に7時間。一方で、朝から晩まで本気で向き合っている人は、1日8〜10時間、週50時間以上。
同じ12ヶ月でも、積み上がる経験値は、まったく別物です。
時間 × 密度 = 成長量
私は、成長は
「期間 × 行動量 × 思考の深さ」で決まると思っています。
単純計算でも、週7時間 × 1年 だと 約360時間。週50時間 × 1年だと約2,600時間。実に7倍以上の差になります。
しかも後者は、
行動する➡失敗する➡考える➡修正する➡行動する
このサイクルを高速で回しています。だから同じ「1年」でも、中身はまったく違う1年なのです。

“時間がない”という言葉の裏側
もちろん、家庭や本業があってフルコミットできない人もいます。それ自体は仕方がないことです。
ただ大切なのは、
「今の投入時間で、どれくらいの成長を期待しているのか」
ここを自分で正しく理解しているかどうかということです。
毎日1時間しか取れないなら、
結果が出るまでに2年、3年かかっても自然なことなのではないでしょうか。
それを
「自分は向いていない」
「自分には才能がない」
と決めつけてしまうのは、違うと思うのですよね。単に“時間の投入量”の問題です。
本気で変えたいなら、時間の使い方を変えるしかない
もし、
✔早く結果を出したい
✔人生を変えたい
✔将来独立したい
そう思っているなら、
期間より先に、まず“時間の使い方”を見直す必要があります。
スマホを眺めている時間。
なんとなく過ごしている夜の時間。
その一部を、学びに。人に会う時間に。発信に変える。
それだけで、1年後の景色はまったく変わります。私たちと一緒に、新しい景色を見てみませんか?







