その老後、本当に安心ですか?
目次
──90歳まで生きるあなたへ贈る“4つの備え”【第1章:住まい編】
前回のブログでは、90歳まで生きる時代における“4つの備え”として、
- 住まい
- お金
- 人との関係
- デジタル遺産
という4つのキーワードをご紹介しました。
今回はその中の「住まい」について深掘りし、あと25年安心して暮らせる家とは?をテーマにお話しします。
■ その家に、あと25年住み続けられますか?
65歳で定年を迎えたあと、90歳まで25年。
この四半世紀を、いまの住まいで本当に安心して暮らせるかどうか——
これが老後の住まい選びの出発点です。
■ バリアフリーは「入口」にすぎない。けれど…
高齢になると、身体機能の低下から、住環境の些細なことが「事故の原因」になります。
たとえば:
- 段差での転倒
- 浴室での立ちくらみ
- 階段の上り下りのつらさ
その対策として、バリアフリーリフォームが注目されますが…
▼バリアフリー化の落とし穴
「老後に備えてリフォームしよう!」
この発想自体は間違っていません。
でも、注意すべきはいつ・どこまで・いくらかけるかです。
▶ こんな事例があります:
70代の夫婦が、築40年の自宅をフルリフォーム。
玄関スロープ、トイレ拡張、段差解消、浴室改修…
かかった費用は980万円。
→ ところが数年後、夫が施設入所し、妻は娘と同居へ。
→ 結果、リフォームした家は空き家に。
■ 判断のカギは「築年数」と「これからの暮らし」
リフォームよりも住み替えの方が合理的な選択となるケースは少なくありません。
判断ポイント | YESの場合の対応 |
---|---|
築30年以上 | 建て替え・住み替えも視野に |
階段が必須 | 平屋やエレベーター付きマンションへ |
子どもが独立 | 減築・売却を検討 |
今後の介護リスク | バリアフリー設計済住宅へ |
■ リフォームより「住み替え」のほうが合理的な選択となるケースとは?
リフォームを選ぶ理由は、たいていこうです:
「住み慣れた家を離れたくない」
「リフォームすれば、また安心して暮らせるはず」
けれど実際には──
✅ その家、本当に“終の棲家”になりますか?
築30〜40年を超える住宅には、次のような問題がつきまといます:
- 基礎や構造自体の老朽化(耐震基準も旧式)
- 配管・給排水設備の老朽化(漏水リスク)
- 断熱性能が低く、冷暖房費が高騰
- 階段や間取りがそもそも高齢者に不向き
つまり、表面的なバリアフリー工事だけではカバーしきれない“住宅の寿命”があるのです。

■ リフォームと住み替え、コスト比較してみると?
項目 | フルリフォーム | 住み替え(新築or築浅中古) |
---|---|---|
工事費用 | 約800〜1,200万円 | 売却+買い替えで調整可能 |
築年数 | 基本的に変わらず | 新築〜10年未満も選択肢 |
耐震・断熱 | 改修には追加費用 | 最新基準クリア済み |
将来売却 | 難しい(築年数×立地) | 資産価値を保ちやすい |
💡リフォームは出費が“かかるだけ”の消耗戦になることも。
一方、住み替えなら「現住居を売却→次の住まいに充当」できるため、資産の組み換えが可能です。

■ 決断を先延ばしにすると、選択肢が“減っていく”
高齢になればなるほど:
- 融資が受けづらくなる
- 体力的に引越が難しくなる
- 住み替え先の入居審査が厳しくなる(特に賃貸)
その結果、「本当は住み替えたかったのに」という後悔が残るケースもあります。
【実際の声】
「夫婦ともに70代前半、思い切って駅近のマンションへ住み替え。
病院もスーパーも近くて、何より階段がないって最高です。」
(元・郊外の戸建てにお住まいだった方)
✅ 住み替えが向いているのはこんな人
- 家の築年数が30年以上
- これからのメンテナンス費用が心配
- 階段が必須な間取りになっている
- 子どもが独立して空き部屋が多い
- 「いつかは住み替えたい」と薄々思っている
「愛着」だけでは、家は支えきれない。
住まいは人生を支える“道具”。道具には、定期的な見直しが必要です。
■ 持ち家?それとも賃貸?
高齢期の住まい選びでは、「持ち家だから安心」とは限りません。
✅ 持ち家のメリット・デメリット
- ◎ 資産価値、精神的安心
- △ 維持費、相続・空き家リスク
✅ 賃貸のメリット・デメリット
- ◎ 柔軟性、メンテ不要
- △ 高齢者の入居拒否リスク、家賃負担の継続
📌 RE/MAX L-Styleでは、持ち家の売却や買い替え・住み替えに関する無料相談も承っています。
あなたの「これからの暮らし」に合った選択を一緒に考えませんか?
■ 忘れがちな「地域とのつながり」という安心
最後に見逃してはいけないのが、人とのつながりです。
- 近所づきあいはあるか?
- 緊急時に助けてくれる人はいるか?
- 商業施設・医療機関へのアクセスは?
「どこに住むか」を考えるとき、多くの人は物件の間取りや設備ばかりに目が行きます。
でも──
90歳まで安心して暮らすために本当に必要なのは、“人とのつながり”ではないでしょうか?
最近では、シニア向けのコミュニティ型賃貸住宅も増えており、孤立しない住まい選びが注目されています。
▼ 「頼れる人がいる地域」と「孤立する家」、どちらを選びますか?
こんな声をよく聞きます:
「近所に声をかけてくれる人がいない」
「子どもたちは遠方に住んでいて、何かあってもすぐには来られない」
「そもそも、話し相手がいない」
いくら立派な家に住んでいても、孤独や不安に包まれた生活では、本当の意味での安心は得られません。
✅ 地域とのつながりを意識するチェックポイント
項目 | あなたの現状 | 対応のヒント |
---|---|---|
緊急時に助けを求められるご近所さんはいますか? | ✅ or ❌ | ご近所関係の再構築・地域イベントに参加 |
徒歩圏内に病院・スーパー・薬局がありますか? | ✅ or ❌ | 利便性の高い立地に住み替え |
地域包括支援センターなどの公的支援が使えますか? | ✅ or ❌ | 福祉・支援サービスの情報収集 |
■ 高齢者住宅という“選択肢”を知っておくことが安心につながる
家を買い替える・リフォームする…という選択肢だけでなく、
「高齢者住宅に住み替える」という選択も、人生後半の“安心の土台”になります。

📌 例えばこんな選択肢:
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
→ 見守りサービス付き。プライバシーと安心が両立。 - シニア向け賃貸マンション
→ バリアフリー設計+共用スペースで自然な交流が生まれる。 - 高齢者コミュニティ併設型住宅
→ 同世代とのつながり、孤立の防止に。
🏠 RE/MAX L-Styleでは
物件の売却・住み替えだけでなく、高齢者住宅への紹介事業も行っています。
「自宅を手放したら、次に住む場所が心配…」
そんな不安を持つ方にも、ぴったりの選択肢を一緒に考えるお手伝いをしています。
■ 選択肢を知っているだけで、未来が違う
最初から高齢者住宅を選ぶ必要はありません。
でも、“いつかのために頭の片隅に置いておく”ことで、いざというとき、焦らずに動けます。
✅ 「家の機能」だけでなく、「地域と人とのつながり」を見直そう
- ひとりで暮らしている方
- 子どもと離れて暮らしている方
- 地域で孤立しがちな方
そんな方こそ、住まいの“周囲”を意識するだけで暮らしの安心感がグッと高まります。
【まとめ】「どこに住むか」ではなく「どう暮らすか」が鍵
住まいの選択は、人生の後半戦において最大級の分岐点。
建物そのものよりも、そこに暮らす「これからの自分」をイメージすることが大切です。

▶ 次回予告:「90歳まで生きるには、いくら必要なのか?」
次回の【お金編】では、
老後資金の目安や、住まいにかかるお金、年金以外の収入源づくりまで掘り下げていきます。
「安心して住む」と「安心して暮らす」は、どちらも準備が必要です。
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