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  3. これからの日本社会を考えると
2019年10月21日

なんかとても重い題名で始まりましたが、これからの日本の将来について少し語りたいと思います。

といっても、私は政治家ではないので政策や法案について語っても仕方ないですから、そういうお話ではなく、あくまで不動産屋さんとしての話を中心に。

 

今、日本は未曾有の高齢化社会に突入しています。

世界保健機関(WHO)の定義によると、総人口に占める65歳以上の人口割合が7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会と言われています。

今の日本の高齢化率

65歳以上の人口が総人口に対して28.1%、75歳以上の人口割合が14.2%まで上昇しており、これは後期高齢社会(こんな言葉が存在しているのかどうか知りませんが)に突入しているのです。

今の65歳と言えば、ひと昔前の65歳と違い元気いっぱいです。

昔のイメージでは、65歳になれば杖をついて腰が曲がって。。

仕事どころか家の縁側でゆっくりとお茶をすすっていたイメージでしたが、今の65歳はまだ元気に働いています。

だからといって、安心かというとどうでしょう?

あと何年その状態が維持できるのか?

あと何年健康で働けるのか?

働けなくなってから何年余生を過ごさなければいけないのか?

その時、社会保障はどうなってるのか?

これからも高齢者は増え続けます。

一方、こどもの人口は減少しています。

今後の社会保障費は足りるのか?

どう予算組みしていくのか?

またまた消費税増税?

所得税増税?

インフラ整備はどうなるのか?

自治体も予算不足です。

住民税も上がるのか?

納税者の数が減っていく中でどう維持していくのか?

少し考えただけでも問題は山積みです。

 

少し話を変えます。

日本に障がい者ってどのくらいの比率で存在しているかご存知ですか?

今内閣府が発表しているデータで障がい者の数を見ると、身体障害者は436万人、知的障害者は108.2万人、精神障害者は392.4万人となっています。

複数の障がいを併せ持つ人もいるので単純な合計にはなりませんが、3つの障がい者数を足すと、936.6万人、およそ国民の7.4%ものの障がい者が存在していることになります。

高齢になってくると、身体が思うように動かなくなったり、知的障がいを発生したりしていきますので、この数は今後ますます増えていくことが予測されます。

障がい者

 

もしあなたの家族が、ある日突然ケガをして障がい者になったらどうしますか?

車椅子生活を余儀なくされ、自宅をバリアフリーにしなくては退院できない。

一緒に生活をすることが可能にならないとしたら。

そんな可能性は誰にでも秘めています。

高齢になった母親が階段で転んで歩けなくなった。

認知症を発症し一人で生活できなくなった。

こんな可能性も当然待ち受けています。

障がいを持つ家族がいる。

これは、今の日本国民誰もが持ちうるリスクです。

そして、この数は今後もますます増えていきます。

その時、養護施設に預ければ大丈夫と考えている人も多いかもしれません。

でも、まだ若くして障がいを持つケースも十分に起こりえるのです。

その時は、自宅介護?

仕事をしながら家族を介護し続けることは容易ではありません。

また、その後の人生を考えたときには自立支援の方法も模索してあげなければいけません。

そういったニーズに応え、今障がい者向けのグループホームの存在が注目されています。

グループホームとは、ハンディキャップを持った人が、5~10名を1ユニットとして共同生活を行う場所です。

同様の境遇の仲間たちと一緒に生活をし、就業支援を受けながら自立を目指すグループホームは、家族にとっても、本人にとっても理想的な形かもしれません。

しかし、まだ日本でその数は多くはありません。

障がい者の数に対して、グループホームの供給率は約6%と低迷しており、南大阪ではグループホームの平均入居率は98%前後と、多くの入居待機者がいる現状です。

なぜ、需要が見込めるのに供給率が低いのか?

それはまず、許認可の問題が存在すること。

グループホームを運営する物件には、まず消防法の規制がかかります。

通常の賃貸住宅と違い、不特定多数の入居者が存在するため、また身体・精神に不自由を保有している入居者を入居するため、火災時などで被害者を拡大させないため、誘導灯の設置や自動火災報知機の設置などが義務付けられます。(物件の構造、規模によって要件は異なります)

そのため、既存の戸建てや既存の集合住宅そのままをグループホームの用途では使用できません。

消防法に沿った消防設備を導入し、改修工事を施す必要が生じます。

この辺りは、既存住宅を民泊転用するときのハードルと一緒です。

『民泊を始めたい』

『グループホームを始めたい』

と言っても、すぐに始めることができない要因の一つです。

また、単純にそのあたりの設備を導入して運営を始めようと思っても、近隣住民の賛同が得られないことも考えられます。

それだけではなく、グループホーム運営には人員も必要です。

それは当然ですよね。

障がいを持った方だけで共同生活を開始してもうまくいくわけがありません。

サービス管理責任者や世話人、夜間支援を行う従業者など複数の人員が必要になります。

この人員は1つの施設ごとではなく、1ユニット(30名ほどまで)ごとに必要になります。

したがって、1戸の戸建て住宅で4人の入所者を集めて開始しても到底収支が合うものではなく、運営事業者は同時に複数の施設を運営することが余儀なくされ、自ずと開業へのハードルが上がってしまうのです。

これが、グループホームがまだ十分に行き届いていない理由です。

『供給が足りていない』

でもこれって、今の不動産業界にとって、一番求めているニーズではありませんか?

少子高齢化に伴い人口は減少している。

若者の一人暮らしへの憧れはもはや消え去り、賃貸ニーズは大きく低下しています。

空き家問題と称される全国各地の空き家の数々。。。

不動産業界にとって、必要とされるニーズがここには存在しています。

求められているWantに応える。

それがニーズを消化していくことなのでは。。。

 

施設が供給不足なら、その不足を補うのは私たち不動産屋さんの使命であります。

また、求めている事業者に負担をできる限り強いらさない。

これも考えていかないと、弱者の弱みに付け込んでいるだけの仕事になってしまいます。

このグループホーム運営事業者の方々のお役に立つこと。

それが、その施設に入所する人々のお役にも立つことかもしれません。

いきなり不動産屋さんから、介護関係の仕事に移行するわけにもいかず、入り口の部分で障がい福祉の事業者に深くかかわれる物件提供という形で、自分自身の勉強も兼ねて案件を取り進めていきます。

本事業については、セミナー開催できるレベルまで短期間で持ち込みたく考えていますし、個人投資家のみなさんも巻き込みながら進めていきたい案件だと考えています。

もちろん、出資してほしいなんて言うことはありませんのでご安心ください。(笑)

個人投資家でも参入できるレベルまで持ち込めたら、施設不足に悩む方々の不安解消、選択肢を増やすことにもつながるのではないかと考えているので、ご興味ある方は今後のブログ記事も楽しみにお待ちください。

それではまた。

 

 

 

 

 

 

 

この記事を書いた人
大西 征昭

オーナー

大西 征昭Masaaki Ohnishi

不動産のことなら何でもお任せ。
ただの不動産屋ではないです、不動産の専門家です

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