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  3. 案内用ダイヤル錠の危険性
2019年3月17日

ワンルームマンションを狙って空き巣を繰り返していた男が昨年秋に逮捕された。
マンションの空き部屋に侵入し、ベランダ伝いに隣室へ移動(バルコニーに設置されている防火壁を破り侵入したそう)し、空き巣を行っていたというニュースが報道されました。

ここで、問題になったのが空き部屋に設置されているダイヤル錠
通常4桁の数字を既定の数字に合わせ開錠するといったものです。
4桁ということですから、10の4乗で1万通りの組み合わせがあるはずです。
1万通りの組み合わせをどうやって解析したの?
一般の方にとっては、到底理解不能な話ですよね?

でも、私たち不動産業者、営業マンにとってはそんなに不思議な話ではないのです。
逆に今まで、こういった犯罪が頻繁に起こっていなかったことが不思議なくらい単純なからくりだったのです。

賃貸の案内の際、現場に案内用鍵が設置されているケースって、かなりの確率であります。
それは、案内時にわざわざ業者に鍵を借りに行くという作業を手間に感じられ、案内の件数を減らさなくするためです。
今回のようにダイヤル錠を設置しているケースもあれば、PS(水道メーターの設置場所)に隠してあるケース、オートロックがあるので部屋の鍵は開けてあるケース、いろんなパターンがあります。
さすがに部屋の鍵を開けておくパターンは防犯上少なくなっていますし、PSのパターンも少なくなってきました。
ただ、ダイヤル錠のパターンはいまだ多く残っています。

空き部屋に侵入しても、室内に何もないし、入居前に新しい鍵に付け替えるので問題ない。
こう思って、今の方法を取り入れているわけですが、このダイヤル錠が簡単に分析できるという方法が公開されてしまった以上、今後この方法を継続するのは少々問題がありそうな気がしますね。

さて、今回どうやってその1万通りの数字の組み合わせを解読したかという方法ですが、ごくごく単純な話です。
これは、案内する多くの営業マンのクセを知っていたということです。

案内時はダイヤル錠の数字を合わせます。
その時、ほとんどの場合どこか一列だけ数字を回すと開錠できます。
案内が終わり、施錠するときも同じです。
案内が終わり、次の物件に移動する際、施錠は必須ですが、解読しにくいようにグルグルと何周も回す営業マンは少ないように思います。
私も今でも賃貸の案内に行くことがありますが、多くの場合一列どこかの数字が違うだけでくるっと回すだけで開錠できてしまいます。
その営業マンの習性を知っていた。
実際この犯人は、賃貸営業の経験者だったようです。

これだけでなく、過去には社内で保管している合鍵を使用して空き巣をしていたという事件もありましたから、鍵をどこかの事務所に預けておくという場合も全く危険性がないわけではありません。

ここからが続きです。

ダイヤル錠の解読の仕方は他にもあったりします。

管理会社の電話番号の下4桁、FAX番号の下4桁、住居表示の下4桁(〇〇1丁目12番3号だと、1123とか)

こういう分かりやすい番号で設定されているケースは少なくありません。

管理会社のほかの物件と同じダイヤル番号に設定されているケースも少なくはありません。

というより、物件ごとにダイヤル番号を変更しているほうが少ないかもしれません。

そう考えると、悪意を持って接してくる犯罪者にとって現在の賃貸マンションの在り方は簡単極まりない状況なのかもしれません。

私も以前、自ら所有している物件を募集する際、家具付き家電付きで募集していましたが、案内方法は現場に設置しているダイヤル錠でした。

その番号は、案内希望業者には教えますよね。

そこで何が起こったと思います?

TVを盗まれたのです。

『物件資料には家具家電付き、TVもあるって書いていましたけど現場になかったのですが、これって後から付くんですか?』

この連絡で事件が初めて発覚したわけです。。。

こんなことが水面下では起こっていたりします。

あと、郵便ポストのダイヤル番号。

これもほとんどの営業マンは番号を解読することができます。

この方法は、また機会があればご紹介しますが、また変な事件になっても困るのでシークレットのままのほうがいいかもしれませんね。(笑)

今後はこちらの方をメインにブログを書いていきますので、ぜひこちらもブックマークに入れておいてくださいね。

それではまた次回の更新をご期待ください。

 

 

この記事を書いた人
大西 征昭

オーナー

大西 征昭Masaaki Ohnishi

不動産のことなら何でもお任せ。
ただの不動産屋ではないです、不動産の専門家です

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